思春の熱にうかされている [エイリア]


上げる上げる言って長いこと上げてなかったパーベル。
企画サイト「In front of goalnet」様に寄稿させていただいたものです。すでにそちらで読んでいただいた方には更新ないも同然な感じで…;書き足しとかしてません;
それでもいい方は続きから!!甘いよ!多分!


そして拍手も叩いてくださる方ありがとうございます…!!
頑張らせていただきます…!!
そろそろまたオレブンの連中描きたいなぁ…。










『若気の至り』だとか、『若さ故の過ち』だとか。
若いという字に何か別の言葉がくっつけば随分と嫌な意味になるものだ。

「若い奴は皆総じて馬鹿だとでも思われてんのかね」
「…何の話だ?」

独り言として呟いた言葉に、律儀に返事を返す声。
ネッパーが声のした方へ視線を向ければそこには不思議そうに首を傾げるベルガの姿。
ああ。いたのかよ。と素っ気なく言えば、さっきからいた。とこれまた素っ気なく返された。
そういや、俺が呼んだんだっけか。

「で、何の話だ」
「…若気の至りって奴だよ」
「訳が分からないんだが」
「うるせー」

ネッパーは不貞腐れて手近にあった椅子を掴み、引き寄せるとそこに座り込む。
ベルガが苦笑したような気がしたが、気にしない。
彼がすましたような顔をしているのはいつものこと。
それが、気に入らない。

「若気の至りなんて、どこで覚えたんだ」
「グレントに言われた」
「グレントに?」

なんで、また。そんなことを言いたげな顔でベルガがこちらを見やる。
ネッパーの暗い瞳が目隠しの奥にあるベルガの視線を絡めとり、ニヤリと笑った。

「グレントに『ベルガのこと好きになったっぽいんだけどどうしたら良い』って聞いたら
 『若気の至りだ』っつって返された。あれ完全に引いてたな。目ェ怖かった」
「……………ちょっと待て」
「なんだよ?」

突然の静止の合図。
話を遮られればあまり良い気はしないだろうに、何故かネッパーはニヤニヤ笑っている。
それとは正反対に、ベルガの方が渋い表情だ。

「言ったのか」
「何を?」
「………私を、好きだと、…グレントに」
「おう」

悪びれた素振りを見せないネッパーに、ベルガは焦ったような表情を浮かべる。
「お前」だのなんだの、何か言いかけては口を噤む。
当たり前だ。普通男同士で好き合っているなど、口が裂けても他人に言えない事だというのに。
完全に混乱しているベルガを横目に、ネッパーは何が楽しいのかさっきからニヤけっぱなしだ。

「俺、アンタの困ってる顔好きだな」
「………悪趣味だな」

カラカラと笑うネッパーに、疲れたように肩を落としてため息をつくベルガ。
まだ何か言いたいのか、うめき声を上げるベルガの顔をネッパーが覗き込む。
が、寸でのところでかわされてしまった。

「なんで逃げんの」
「何だって良いだろう」
「普通人ってよ、恥ずかしいと真っ赤になるけどアンタどうなんの?
 やっぱ真っ青になんの?それが気になるだけなんだけど」
「知らん!」

必死でネッパーから顔を背けるベルガをニヤつきながら視線で追いかける。
結局覗き見る事は叶わず、諦めたらしいネッパーが頬杖を付いた。
だが、視線はベルガに固定されたまま。
未だにこちらを向かないベルガを眺めながら、自分のチームのキーパーに言われた言葉を反芻する。
なるほど。若気の至りか。…それでも結構。

「なあ。俺、今アンタの事可愛いと思ってんだけど、病気かね?」

ぴたり。と固まる姿にクツクツと笑みを漏らす。
ああ。そんなんだから止められないんだよ。
からかうように笑うネッパーを、ベルガが僅かに振り返る。
顔がやっぱりよく見えないのが残念だ。

「……それは、重症だな」

普通こんな自分より体格が良くてでかい奴、可愛いだなんて思えるか?
しかも、同性。
ベルガの返答にネッパーはカラカラ笑いながらごもっとも!などと返事を返す。
皮肉を言われた事を意に介さない口ぶりに、思わずベルガは怪訝そうな顔をする。
だけれども、ネッパーはやはりニヤニヤと笑うだけ。
アンタだから重症にもなるんだ。なんて思いはすれど口にはしない。
これ以上からかったら口をきいてもらえなくなりそうだ。

「お互い様だろ」
「…私が?」

心外な。とでも言いたげな顔でやっとこちらを向く。
いつも通りなベルガにネッパーは少し残念そうな顔をするも、
再びにやりと笑い「何でもねーよ」と呟くと、今度は自分がそっぽを向く。
お互い病気だ。だって、そうだろうよ。


同性にこんなこと言われて、照れてるアンタもよっぽど




『思春の熱にうかされている』







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ウチのサイトで上げたものと若干いろいろ被ってる気がして怖くて見返せない^q^
とりあえずベルガを困らせたり照れさせたりするのが凄く好きなのがよく分かっていただけるかと←

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