ろくでなしの歌 3 [パーベル学パロ]


パーベル学パロの続きその3。ぐだぐだだ…
1、2と見てくださっている方がいるのが凄く嬉しいです…!!
あ、ありがとうございますー!!需要、あるって、思って、いいかな!?

そして拍手も空パチありがとうございます!!


最近やっと筋道立てられたんでさくさく行きたい…いけるといいな…!!
多分9くらいで馴れ初め終わります。…多分(笑)
結局ゼルデザ連載と同じ長さだ…
そんなこんなで続きからどうぞー^^







腹を割って話をしよう。
そう切り出したのは、青肌の男の方だった。

「…いきなりなんだよ…」

勝手にベッドの上を占領し、雑誌を読んでいたネッパーが眉をひそめる。
対して机に向かって何かを書いていたベルガは、真っすぐにネッパーを見据えていた。

「お前が家に転がり込んで来てもう1週間になる。
 いい加減落ち着いただろうし、お前の現状を知りたい」
「いきなりだな。ほんと」
「ああ。いきなりだ」

有無を言わさない言葉。
こういう時、表情が読めないのはなんとも恐ろしいと思う。
言葉に詰まるネッパーが、視線を明後日の方向に彷徨わせる。
完全に逃げの姿勢だ。

「お前がボニトナと喧嘩して家出をしたということは私も理解している。
 その原因がお前の進路についてという事も」
「そんだけ知ってりゃ…十分だろ」
「お前の詳しい考えを聞いてない」

いきなり込み入った話だ。
まるで進路に関する面談を学校の教員としているような気分になってネッパーはますます気まずくなる。

「別に、大学行くのが面倒だから」
「じゃあ就職したい企業は決まっているのか」
「…………」
「…大学より面倒だぞ。就職は」

相手の方を見なくても、ベルガが呆れた顔をしているのがよくわかる。
社会の事なんて知らない。知ろうともしていない。
頭の片隅で何とかなると思っている自分がいるのだ。
ちらりと見たベルガの表情はやはり呆れたような顔。
1週間じっくり彼の表情を見る事で、最近では彼の心境が表情で読み取れるようになった。
これはネッパーにとっては誇れる事だと思う。

「アンタに関係ないだろ」
「居候と家主という関係性はある」
「だからって関係は、」
「ある」

根拠がわからない。
だが、ベルガは本気で心配をしている。
できることならなんとかしようと思っている。
悪く言えばおせっかいだ。…よく言えば、

「…アンタ、やっぱお人好しだ」
「…そうか?」
「周りは心配するだけで口出しなんかしなかったし」

ボニトナとの口論はしょっちゅうだった。
それによってサトスが胃を痛めていた事も知っている。だけども自分には関係ない。
周りは心配はすれども自分に深い事を聞いては来なかった。
ただ、一言だけ、「ネッパーの思うようにやればいいよ」と。
その、「思うように」が何なのかがわからないのに。
思うように、何を、思えば良いのだ。

「何がしたいかだとか、どうしたいとかよ、わかんねぇんだよ」

押し付けがましいものは嫌いだった。だけれども、放任されるとどうして良いか分からない。
自分勝手だととられそうだが、しかたがないだろう。
だからこそ、開き直るしかないのだ。
寝転がって仰いだ天井には、何にもありはしなかった。
しばらくの間、部屋の中に沈黙が訪れる。
互いの視線は交わる事なく、虚空を泳いだ。

「……そうか」

沈黙を破ったのはそんな単純な一言だった。
その言葉にネッパーがようやく視線をベルガに向ければ、困ったような顔。

「だったら、考えがまとまるまでいるといい」

僅かに微笑みながらの言葉に、ネッパーは呆然とする。
最初の口ぶりからして、もっと手厳しく怒られるか言及されると思った。
だがいざ口を開いてみればあっという間に猶予期間を与えてくれた。
どうして。

「…どうした?」
「……いや、怒られるか取り調べみたいに問いつめられるかと思った」
「するわけないだろう。ああでも言わなければお前は逃げていただろう」

…確かに。ベルガの言葉に自分の事のはずが妙に納得してしまう。
厳しく言及されていなければ、口を開く気にはならず、逃げていただろう。
完全に自分の性格を把握されている。しかもこの短期間で。
ネッパーはああ。くそ。と毒づき再びごろりと仰向けになった。
やはり天井には何もない。

「アンタ、人が良すぎる」
「思い過ごしだろう」

ひらりとかわされる。
これが僅かな歳の差のせいだというのならずるいと思う。

「いつか絶対誰かに騙されて損するか厄介事抱えるタイプだ。アンタ」

伏せていた雑誌を再び手に取りながら毒づいてやる。
その間にちらりとベルガを覗き見てやると、なんだか惚けたような顔。
それが珍しくて視線をそのまま固定していると、不意に笑みを浮かべられた。
思わずドキリとする。



「厄介事なら、もう抱えている」



そう言って指差す先にいるネッパーを見るベルガの表情は、
言葉とは裏腹に、何故か楽しそうだった。




nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。