セレスト 2 [エイリア]


最近エイリア多くなって来たな…。カテゴリ新しく作ろうかしら。
むしろカテゴリ枠を一新すべきか。やり方よくわからないけれど(爆)


続きからゼルデザ連載その2。短めです。
なんでウチのグランさんはデザーム様に絡みたがるんだろう(え)







最近、ゼルが昼夜を問わず、がむしゃらに特訓を重ねているらしい。


それを知ったのは、たまたまメトロンがぼやいた言葉を聞いたときだった。
『最近練習場はゼルさんがずーっと使ってますし…』
その言葉を確認するために、デザームが実際練習場に行ったところ、そこには確かにゼルがいた。
己の鍛錬に励むのはいいことだ。と思っていたが、その熱心さは少々常軌を逸していた。
ふ、と気が向いたときに覗きに行けば、必ずゼルがいる。
ボールの蹴る音が響く練習場の入り口で、デザームは静かに腕を組み考え込む。
時折、ちらちらと中を覗いては、思案するように俯いていた。




「やあ」

突然通路に響いた声に、デザームははっとして顔を上げる。
そこにはにこやかな笑顔をデザームに向けたグランが片手を上げて立っていた。
思わぬマスターランクキャプテンの登場に、デザームは背筋をただす。
自分より身長の低いグランを不本意ながらも見下ろす形で、一つ、頭を下げた。

「どうしたの?」
「…いえ…」

グランの問いに、デザームは控えめにちらと練習場内を見やる。
その視線を追うように、グランもその中を覗き込んだ。
そこには、先ほどデザームが見たのと変わらない、特訓に励むゼルの姿。
ゼルとデザームを交互に見やった後、グランは「ふうん」と何か合点が言ったように頷いた。

「気になるんだ。彼の事」

相変わらずの清々しい笑顔で、ストレートに問う。
その言葉の深い意味なんて汲み取ろうとはせずに、デザームは真っすぐに練習場内を見る。
そして、自分が思っていること、考えている事を率直に述べた。

「少々、無理をしているのではと思いまして」

静かに呟いたデザームに、グランは「心配なんだね」とにこやかに笑いかける。
心配。と言われて、デザームはふと首を傾げた。
心配と言われればそうなのかもしれない。
それがゼル個人に向けての心配なのか、それともゼルという主戦力がここで無茶をしてチームに影響を及ぼすのでは。という全体としての心配なのか。
その区別がつかず、デザームは再び思案するように俯いた。
心配ではあるのだ。だが、一体どういう意味で。
一人思案に耽り始めたデザームに、グランは何かを見透かしたような視線を送る。

「気になるなら、見ててあげると良いよ」
「…?」

グランの突然の物言いに、デザームはますます混乱したのか僅かに顔をしかめた。
心配なんだろう?と念を押すように聞かれ、デザームは素直に頷く。
その反応に満足したのか、グランも大きく頷いた。
その表情はどこか嬉しそうだ。

「目を離しちゃ駄目だってことさ」

グラン自身も気になっている人がひとりいる。
気になって気になって仕方がないので、結局彼の言動を事細かに知るために
常に遠くからその人を見守る事にした。
…と、いう自分なりの結論と考えを詳しく、かつ多少の脚色を入れて説明するグラン。
その内容が世間一般で「ストーカー行為」と言われる事など、当の本人たちは気づいていない。
あるいは、グランは気づいているのかもしれないが、だとしたら余計にたちが悪い。
しかし、アドバイスを受けているデザーム自身は、確実に何も分かっていない。

「…かしこまりました…」

だからこそ、自分より格上の存在であるグランのアドバイスを真摯に受け止めたのだった。











「…うわぁ…なんか凄い面白くなりそう」

そして、そのやりとりをたまたま通りかかったマキュアが聞いていた事など、
もちろん知るはずがないのであった。





*******************
アドバイスを受ける人を間違えたようです。


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