世界平和の片隅から [エイリア]


拍手叩いてくださる方ありがとうございますー!励みに頑張ります!!


なんか、やっぱり供給大事だと思い知りました。
ネサフしてたらベルガ受け見つけて読み終わった頃にはなんかネタが4つくらい浮かんでた←
燃料必要ですよ燃料。人様のを見て全く見当違いのネタを量産するのが得意な身としては。
そんなわけで浮かんだのは良いけどまとまってないし打つ時間がいまいちとれないよ!!
…そして今回パーベルです。3期入ってからくらいでお願いします。
大丈夫だぜ!って方は続きからどうぞー^^










時計の針は普段しているようになんの代わり映えもなく同じ音だけを刻む。
差し込む日の光からして、きっと今は3時くらいだろうか。
ああ、今日は暖かくてよかった。とごくごく平凡な事を考えて読みかけていた本に視線を戻す。
縁側は日差しのおかげで暖かく、気を緩めれば寝てしまいそうだ。
今まで寒暖差が激しかったくせに、妙にしおらしい今日の陽気は実に心地よかった。
これなら今日中に読み終われるだろうか。
そう思ってページの端まで行き着いた視線を最初に戻して一枚めくる。
右と左の厚さが半分ほどになったとき、不意に後ろの方で「あ」という間抜けな声が聞こえ、集中力が途切れてしまう。

「どうした」
「…ミスった」

肩越しに覗き込めばあぐらをかいて携帯ゲーム機をいじる彼が軽く舌打ちをする。
どうやら今プレイしているゲームでなんらかのミスをしたらしく
ぶつぶつと文句を言いながら忙しなく指を動かしていた。

「音、出したらどうだ」
「アンタの邪魔になるだろ」
「そういうことを気にする柄か?」
「うるせぇ」

からかうように言ってやれば軽く肘で脇腹当たりを小突かれる。
その力は本当に微々たる物で痛くもかゆくもなかった。
思わずすまない。と謝ると無言だけが帰ってくる。許してくれるらしい。

「でも、本当に気にしなくてもいいんだがな」
「…イヤホン取ってくるわ」
「そうか」

構わないというのに、どうやら徹底的に気をつかう気らしい。
ゲーム機を閉じて、片膝をついて立ち上がる。
それを背中越しに感じながら、もう一度本に視線を戻す。
縁側から畳に移動したらしく、彼の素足と畳のこすれる音がさりさり響いた。

「アンタ、まだそこにいるよな?」
「? ああ」

扉の開く音が聞こえた後に、不意にそんな事を言われて顔を上げる。
見やれば扉から体を半分ほど部屋の外に出して、こちらを指差す姿。

「絶対いろよ」
「ああ」

一つ頷いてやった後に、そう念を押されるのでもう一つ頷いてやる。
そうすれば彼は満足したのか扉を閉めて自室へ向かったようだった。
エイリアの一件も落ち着き、こういった落ち着いた時間が流れ始めた途端、彼はやたらと自分を見つけるのが上手くなった。
どこにいようがしばらく経てば気づけばそばにいるのだ。
今日も天気がいいのでと縁側に移動したしばらくの後、ふらりと現れて自分の背中に自身の背中を預けてゲームを始めた。
さもそこに自分がいる事が当たり前のような振る舞い。
自分自身も別に嫌ではなかったし、そばにいるだけでもなんだかんだで嬉しかったりするので咎めたことはない。
だが、一度だけ何故と問うたことがある。
聞けばエイリア学園時期、チームが別という理由でなかなか一緒にいられなかった分の埋め合わせをしているらしい。
その理由を聞いてしまったのも、多分これを許容している理由の一つだろう。
いつ頃埋め合わせは終わってしまうのだろうか。
終わってしまえば彼がこうして自分を探して寄ってくる機会も減るのだろうか。と考え、少し寂しくなったりもする。
…ああ、自分は何を考えているのだろう。
思わず気恥ずかしくなって、周りには誰もいないというのに取り繕うように本に視線を戻した。
ああ、妙に頭の芯が熱い。
結局。彼が戻ってくるまで本の内容に集中できず、2、3行読むのが精一杯だった。

「悪ぃ。探すの手間取った」
「いや、気にするな」

彼が戻って来たときには熱された思考回路も正常に戻り、いつも通りに受け答えが出来て安心する。
別に、謝る必要はないと思うのだが。そう思うが口にはしない。

「俺の見つかんねーからバクレーの勝手に借りた」
「部屋の掃除をしないからそうなるんだ。後でちゃんと断っておけよ」
「じゃあアンタしに来てくれよ」
「自分でそれくらいはしろ」

どさりと最初と同じように自分の背後に回って、背中を併せるように座り込む。
今思えば、彼は正面に座る事はあまりなかった。
大抵、背中合わせ。聞けば相手がどこかに行こうとしたらすぐに分かるからだそうだ。
自分も相手の存在を感じられるから嫌な気はしない。
再び背を預けてゲーム機を開く彼を確認して、自分もまた本に集中する事にした。



「ネッパー」

しばらく経って、本の作者の後書きまで読み終わった頃、新しい本でも取りに行こうかと思い背後の彼に声をかける。
ああ、でもイヤホンをしているのだから聞き取れはしないか。

「あ?」

そう思ったのだが、意外とスムーズに返事は返って来た。
ふと振り返れば、片耳だけにはめ込まれたイヤホン。

「両方はめないのか」
「あ?…ああ、これか」
「聞こえ辛いだろう」
「いいんだよ。こうしてねーとアンタが声かけた時反応できねぇし」

さらっと恥ずかしい事を言ってくれる。
思わずまた頭の芯が熱を帯びて、何がしたかったのか忘れてしまう。
きっと顔も上気しているだろう。証拠に、ほら。目の前の彼が実に楽しそうにニヤニヤ笑っている。
なんでもない。とだけ返して再び背を向ければ、背後からクツクツと笑い声がした。
ああ、恥ずかしい。
気を紛らわせようと視線を外にやる。
日も傾き、暖かさは大分半減されて来た。そろそろ部屋に戻った方が良いのだろうか。
そう思うが、なかなか動けない。
彼のゲームが一段落したら、動く事にしよう。そう思って、ただただ空を見上げる。



ああ。なんて愛しい、平和な日々。



*******************************
最近になって自分は背中合わせが好きなのだと思い知った。
なんか、なんかよくわかりませんけど良いと思います。
そして照れてるベルガの描写法に「頬が上気する」という表現が実に都合がいいと気づく。…色が出ないから行けるぞ…!でも実際何色なんでしょうね。
赤だろうが青だろうがベルガならなんでもいいですけど←


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