日だまりに会いに [鬼受け]


拍手叩いてくださった方ありがとうございましたー!励みに頑張ります…!!


昨日はぶっちゃけ友人宅で飲み会オールやってました←
とんだ暴露大会でした。暴露してない分は墓まで持って行こうと思います。
それはともかくとして今日はひっさびさに源鬼!!
凄まじく短いですけどいいぜ!って方は続きからどうぞー^^










日差しは暖かいのに、体をすり抜ける風が冷たい。

春の陽気はどこへ行ったのか、おおよそ春には遠い風を連れて、源田は自転車を滑走させる。
日差しが暖かいからと、薄着で出たのはまずかっただろうか。
巻き起こる風に、上着の裾をはためかせて、坂道を下って行く。
急ぐ必要はないのだけれど、自然と早まるペダルを漕ぐ足は、この先に待つものへの期待。
緩い坂道を下って、角を曲がれば建物の影に隠れていた太陽が急に顔を出す。
眩しい。と思って目を細めると、目の前の電柱にぶつかりそうになった。
慌ててハンドルを切って、誰も見ていないというのに思わず誤摩化すような笑いがこみ上げる。
これを彼が見ていたら、眉尻を下げて、心配げな表情をしながら怒るという器用なことをしてくれるのだろう。
まだいない彼に思いを馳せて、走る。奔る。はしる。
太陽が照っているのに、やはり自分を取り巻く風は冷たくて。
ああ、早く着けば良いのに。と気ばかり焦る。
角を曲がって、信号に引っかかる事なく横断歩道を渡り切る。
そして、もう一つ角を曲がってしまえば、もうすぐそこ。
いい加減、冷たい風のせいで指先がかじかんで来た。


「源田」


待ち合わせ場所にと2人で昨日話し合った場所に、たたずむ彼が僅かに手をあげる。
声なんて本当に小さなものだったが、源田には確かに聞き取れた。
彼が自分の名前を呼ぶ声。
飛び降りるように自転車から地面へ着地し、そのままの勢いで彼の元へ走る。
待ち合わせ時間まで、まだ20分もあるだろうに。

「早いな。鬼道」

彼の目の前で、ようやく自転車を止める。

「お前の方こそ、まだ20分もあるぞ」

そう言って、苦笑する彼に、源田もまたニカリと笑みを向ける。
ふ、と太陽の光が、春の兆しを思わせるように暖かかった。
薄着をしてきて良かったと思う。



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多分春先のまだ風が冷たかった時期に書いたんだと思います。発掘しました←

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