こう。 [エイリア]


ネロとベルガ。…あえて「と」と入れさせてもらいます…orz
小説の仮タイトルが「ネロベル」とかついてたとしてもそう言います。
だんだんと脳味噌が暴走して来てるんだけど大丈夫かなこれ。








ジェネシスの座は、グラン率いる「ガイア」に渡った。
その決定にバーンやガゼルが異議を唱えるも事実は揺るがなかった。
おそらく、皇帝陛下は意思を変えるつもりはないのだろう。
ただ、2人はその事実を認めたくないだけ。
だからなお、残った2チームで強さを競い、皇帝陛下の目に留まろうと必死なのだ。
しかしやはり事実は揺るがない。
実質的に、グランのチームがエイリア学園最強のチームとして君臨した。



「おい」

ふと、声をかけられ、振り向く。
だが、視線の先には誰もおらず思わずベルガは首を傾げた。
するとまたしても「おい」と呼ばれる声がして、ゆっくりと下を向く。
そこには自分よりも遥かに小さい、最高チームのゴールキーパーがこちらを見上げていた。

「ネロ」
「失礼だろ。見下ろすのは」
「ああ。すまない」

むすっとした声で指摘され、ベルガは苦笑しながら身を屈めた。
完全にしゃがむ体勢になると、僅かにネロの方が視線が上になる。
それでもなにやら本人は不服そうだった。

「それもそれで馬鹿にされている気分だな」
「じゃあどうしろと言うんだ」
「……別にいい」
「そうか」

で、何か用か?と訪ねれば、ネロはやはり不機嫌な顔で。
何か機嫌を損ねる事でもしただろうか。とベルガが首を傾げると、
突然ビシリと人差し指を向けられた。

「俺たちは最強のチームの証、ジェネシスの称号を皇帝陛下よりいただいた」
「ああ」
「だったら、もっと俺に対して敬意を払ったらどうなんだ」

人差し指を鼻先に向けられたまま言い放たれる言葉に思わずキョトンとする。
言っている事は正しいのかもしれない。
確かに、ランクごとに分けられたエイリア学園ではそれが当たり前だ。
だが、ジェネシスの称号がどのチームに渡るかまだ分からない時。
マスターランクチームとして平等な立場にいたときと同じようにベルガはネロに接している。
本人はどうもそれが気に入らないらしい。
それが不機嫌の原因か。とここでようやくベルガは納得した。が。

「気持ちは分かるが、人を指差すのは失礼だ」
「……あ。すまない。………………じゃなくて!」

とりあえず気になった事を指摘したら逆ギレされた。
予想以上の激昂っぷりに、ベルガが些か驚いていると、
そういうのがだめなんだ!と珍しく声を荒げて叫ばれた。

「じゃあ、どうしたらいいんだ」
「………ガゼルには敬意を払えて俺には無理なのか」
「あの方はウチのキャプテンだからな」
「お前より年下だぞ」
「歳と実力は関係ない」
「だったら俺だってそうだ」

一歩も譲らないネロに、ベルガは思わず苦笑する。
つまり、ガゼルのように扱えということなのだろうか。
目の前で苛立つネロを見つめながら、やっとのことでその正解に行き着いた。




「ネロ様」




いつものような呼び捨てではなく、敬称をつけて呼ぶ。つまりはそういうことだろう。
だが、呼ばれた当の本人はというと、目を見開いて固まっていた。
やはり、なにか違ったのだろうか。

「…………ベルガ…」
「はい」

なんでしょう。とベルガとしては至って普通に問うたはずだった。
が、ネロは落ち着かないように視線を彷徨わせ、何かに悩んでいる様子で。
なにかあったのかと思わず口を開こうとしたとき、目の前に小さい掌が向けられた。

「…や、やっぱりいつも通りで構わない…」
「………そうか?」

急にしおらしくなったネロに,ベルガは首を傾げながらも頷いた。
俯いたままで表情が伺えないネロを、ただただじっと見つめる。

「じゃあどうやって敬意とやらを表せばいいんだ」

敬語で話す事もそれに値しないというのなら、どうしろというのだろう。
素直な疑問に、ネロはしばらく眉間に皺を寄せ考え込む。
こういうところは、なんというか年相応だ。

「じゃあ……」
「じゃあ?」




とりあえず、肩車しろ。




小さく呟かれたなんとも可愛らしい要望。
ベルガは思わず笑みをこぼすと、まかせておけ。と楽しそうに頷いた。




*************
ベルガがちっさい子にまんべんなく優しかったら良いなぁとか。
そういうこと考えてるからベルガとアイシーの組み合わせも好きなんだろうな。


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