そうだ。地球に行こう。 [エイリア]


書いているうちにもう何がなんだかわからなくなったもの(笑)
見ようによってはグラン→デザーム←ゼルに見える。
…ゼルデザ書く心意気だったのにおかしいな。
グランの性格はアニメよりと思ってください。むしろ崩壊しているかもしれない。ヒロト分からん。


それでもいいかたは続きから!!









「ゼル。地球に偵察に向かうぞ」
「……は?」

突然呼び出され、何事かと思えばそういう話。
なんでもグランから「地球には面白い奴がいるよ」なんて言われたのが始まりらしい。
今はジェネミストームが侵略活動を無難にこなしている。
我らイプシロンは出る幕がないかもしれないなどという話が上り始めている時期だった。
だが、マスターランクチームジェネシスのキャプテンの言い分だ。
先を見越して、自分たちに標的をさらによく知っておくようにという事なのかもしれない。
そう考えると、地球偵察は果たしておくべきことなのだろう。
ゼルは表情を引き締め、「かしこまりました」と同意の意を示した。






「うん。地球の服のコーディネートは僕に任せてよ」

ニコニコしながら服を手にするグランを見て、ゼルの表情がにわかに引きつる。
実に輝かしい表情のグランは、実に楽しそうにあれやこれやと服を合わせていく。
ひょっとしたらこの人は自分たちを着せ替え人形にして遊んでいるだけではないのかとも懸念したが、
なにぶん相手は自分よりも格が上。なによりここでの一番下っ端は自分だ。
意見する事ができるはずもなく、されるがままになるほかない。
かといって自分のチームのキャプテンを見やれば、今の状況を理解しているのかしていないのか、相変わらずの無表情。
ゼルはバレないように静かにため息をついた。

「ゼルは地球人とほぼ変わらないから服を合わせるのが簡単だね」
「は、はぁ…あ、ありがとうございます?」

早々に組み合わせが決まったらしく、渡された服に着替えるとグランは満足そうに頷いた。
本当に楽しそうだな。この人。
ゼルは無難に礼を述べてやり過ごす。
そして、くるりときびすを返し、デザームの方に向き合うと頭のてっぺんからつま先までまじまじと見つめ始める。
なんだその値踏みするような視線は。
見られているデザームはやはり無表情。ああ、この人やっぱり何も分かってない。

「君は難しそうだね」
「…問題がありましたか」
「いや、大丈夫。とりあえず首に巻いてる髪を下ろそうか」

楽しそうなグランに反して、デザームは真剣そのものだ。
そのギャップが何とも言えない。突っ込みたくても突っ込めない。
早々にやることが終わってしまったゼルは、少し離れたところで2人のやり取りを見つめる。
ああ、そういえばデザーム様が髪を下ろしているところ等見た事がない。
髪を下ろせと言われたデザームはしばらく首に巻かれたままの自分の髪を緩く触っていたが、
やがて、大人しくするするとその髪を首元から下ろして行く。
首を緩やかに1周できるほどの髪だ。下ろしてしまえば、腰よりもずっと下で毛先が揺れていた。

「やっぱり長いねぇ。でも肩は楽になったんじゃない?」
「…はい」
「じゃあ括っちゃおうか。わーふわふわだねぇ」

後ろ向いて屈んでー。と楽しそうにくしを手にしてグランが言う。
完全に自分が一番楽しんでいる。と、いうより無防備すぎるデザーム様が怖い。
ゼルはひとりやきもきしながら手際よく結われていくデザームの髪を見ていた。
緩く一つにまとめられてしまえば、案外それだけでも印象は変わってくるもので。
ある意味で新鮮な光景に、思わずゼルは言葉を失いデザームを見る。
まあ、なんというか普段も格好いいが、今も非常に格好いい。
ゼルが脳内でデザームをべた褒めしているその間にも、グランのコーディネートはさくさくと進んで行く。


「問題は、目だね」
「?」
「地球人の目って普通白目に黒い瞳なんだよ」

グランの言い分に、ゼルはなるほどと頷く。
自分やグランは地球人同様白目にそれぞれの色の瞳を持っている。
だが、デザームの場合、本来白くあるべき場所が黒に染まっているのだ。
漆黒の眼球に、赤い瞳。
それはいくら外見が人間に酷似していようとも明らかに異質となる点。
綺麗ではあるんだけどねぇ。なんて言うグランはさておき、どうしたものかとゼルも頭を悩ませる。
これがどうにかならなければ偵察に向かえない。いや、自分もデザーム様の目は好きなのだが。

「かといってサングラスとかで隠しちゃうと凄い威圧感だしね」
「…申し訳ありません」
「いや。謝らなくて良いんだよ。君の目好きだから」

さらっと口に出しやがったこの人は。
一人百面相を繰り広げるゼルは完全に蚊帳の外で話は進んで行く。
あれやこれやと試しては見たが結局良い案は浮かばない。
こうなれば偵察は中止かと思ったの、だが。




「まあ。なんとかなるだろ」




グランの放棄宣言。
どんなポジティブシンキングだつーかどうにかなるわけないだろうむしろデザーム様をそんな適当な感じで放置するなと突っ込みたいが、
相手は仮にもマスターランク『ジェネシス』キャプテンのグランだ。
そんなことを言えばきっとエイリアから追放される。酷い職権乱用だとは思うが。
自分の拳を血が出るのではないかと心配するほど固く握りしめ、ゼルは耐える。
当の放棄された本人であるデザームは「そうですか」の一言。
この人はこんなにも天然だっただろうかとゼルは頭を痛める。
こうして、デザームの瞳にのみ問題を残し、3人はやっとのことで地球偵察の準備を終えたのだった。


「さあ、行こうか…」


先陣を切って地球に向かうグランの背を追う形で、ゼルとデザームが続く。
意気揚々と拳をあげたグランは、実に楽しそうに目的を述べる。
実に、完結に。そして、自分の欲望に忠実に。




「…円堂君を見に!!」




…目の前の後頭部に一発叩き込みたい衝動をデザーム様の前だからと
押し殺した自分を誰かに褒めてもらいたい。
結局自分が何かを口実に行きたかっただけではないかとギリギリ苛立を募らせるゼルに、
横を歩いていたデザームがふと話しかけて来た。

「ゼル」
「……っは、はい!!」

「なかなか似合っているぞ」

その格好。とデザームに褒められる。
それだけで、グランに対する怒りも何も忘れてしまう自分もよほど単純なのだろう。



****************
服の描写がないのは私にファッションセンスがないから。
〆方わからなかったのでこんなことに。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。