愛ある時代 [土受け]


なんか時間がギリギリだー!!←
す、すみませんなんか別の事に現を抜かしっぱなしです…
でもイナズマへの愛がなくなるなんて事はまだまだなさそうなんで大丈夫です…!



そんなわけで今日は久々に一土!発掘しました(爆)
短いですが読んでやるぜという方は続きからどうぞー^^


















「土門。俺ね、土門の事好きだよ」

面と向かってはっきりと。
もう何度目か分からないが、何の前触れもなく告白される。
その言葉に返事を「俺も」なんて返事を返したのはいつの話だったか。
目の前にいる一之瀬を真っすぐ見つめたまま、ふとそんな事を考える。
あたらためて言う必要なんて、ないのに。

「知ってるよ」
「そう」

素っ気なく返せば、素っ気ない返事が返って来た。
なんだ。と拍子抜けして、手元にあった本に再び視線を戻す。
そうするや否や、一之瀬が「知ってる?」なんておうむ返し。
再び本から視線を外すはめになった土門の呆れた顔に向かって一之瀬は口を開く。

「昔はさ、恋愛感情とか、そういうのなかったんだって」

明治だったか、江戸だったか、忘れたけど。
曖昧な言葉に、土門はふうんとこれまた素っ気ない返事を返す。

「どこで知ったんだ」
「クラスの奴に聞いた」

頬杖をついて、どこか遠い目で。
それは遠い昔を見ているのだろうか。
馬鹿馬鹿しい事を考えてみたりする。

「昔は好きとかそういうの関係なく、ただ単に子孫繁栄のために結婚とかしてたらしいよ。
 外国の文化が入って来て、初めて日本人は「ラーヴ」っていう概念を知ったんだって」
「へえ」

つまり、それまで日本人は愛なんてもの知らなかったのかもしれない。
そう呟く一之瀬の瞳は、今度は真っすぐ土門を捕らえていた。
珍しく真剣な瞳。土門は思わず持っている本を閉じた。

「俺、今の時代に生まれてよかったと思う。じゃなかったら土門のこと好きになれなかったかもしれない」

真剣な目をしてこいつはなんてこというんだろう。
思わず赤面して、土門は顔を背けるが、一之瀬は背けない。
真っすぐに、ひたすらに真っすぐに、見つめる。

「だって、男同士じゃ子孫繁栄もへったくれもないだろ」
「……お前なぁ」

そんなムードもロマンもないこといわれたら赤面した顔も元に戻る。
呆れた顔をして一之瀬を見れば、そちらの視線は変わっていなかった。
ああ、こいつなりに真剣な話をしているのだ。と思った時には、名前を呼ばれていた。
一之瀬はたまに、どこかから変な情報を仕入れては、自分なりに解釈して、当てはめる。
その結果が今だろう。

「ねえ、土門好きだよ」

愛という概念がある今に生まれた俺たちは、きっと幸福なのだろうと。
土門は自分でふと考えた事に恥ずかしくなって再び顔を赤くする。
きっと一之瀬の言いたい事はそこにある。たまにロマンチストなのだ。彼は。
そう思えば、なんだか目の前で真剣な顔なんかして告白する彼に笑いがこみ上げて来て。

「俺も、好きだ」

普段は恥ずかしくて滅多に言わない言葉を、囁いてやった。


************************************
知識は文系の学校に行ってる友人から仕入れたものです。
だとしたら男色流行った戦国時代とかどうなるんでしょうねぇ。
ここはただのステータスとしてか?


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

絵板ログ24絵板ログ25 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。