恋の行方はすれ違い。 [エイリア]


拍手叩いてくださった方ありがとうございますー!
励みに頑張らせていただきますよ…!!小説書きたい…!←



そんなわけで今回グレベル♀。………まさかグレベルでもにょたやるとは私が一番想像してなかったッ!!←
最近私の中のグレベルがえらく大人しいです。最初の雰囲気どこいった。
でもやっぱりギスギスはしてますよ。そしてついでにキスしてるんで注意してくださいませ←
見てやるよ!にょたは好物です!という方は続きからどうぞー^^

















別に興味らしい興味はなかった。
自分たちと同じマスターランクチームのGKという認識だけ。
どうせたいした奴ではないだろうと高をくくって顔合わせに行ったのだ。
だというのに。

「ダイヤモンドダストGK、ベルガだ」

はきはきとそれだけを言って、自分に右手を差し伸べてくる者がまさか、
女だったなどという事は、生憎だか自分の中で予測がついていなかった。




「………どうした」

自分がしばらくの間驚きで固まっているのをさすがに不審に思ったのか、ベルガがいぶかしげにグレントの顔を覗き見る。
ぶれていたピントが視界に潜り込んで来たベルガの青い顔によって無理矢理修正される。
ああ、いけない。

「いや」
「私も名乗ったんだ。お前も名乗ったらどうだ」

素っ気ない返事を返せば不機嫌そうな顔をしてもっともなことを言う。
むしろ不機嫌そう。などというのは顔の大半を覆っている青いバンダナのせいで正確には見えやしない。
だが、言葉の端々や口元から、何故だかそう読み取れた。
案外分かりやすいのかもしれない。

「…プロミネンスGK、グレントだ」
「グレント」

頭一つ分低いところで、自分の名前を小さく繰り返す。
僅かに黒髪が揺れた。
正直言ってあの方の正気を疑ってしまう。
ガイアのGKはまだ背丈も小さいネロであるし、ダイヤモンドダストはよりにもよって女とは。
果たしてこれらにゴールを守れるほどの力量があるのかどうか。
明らかにこれから競い合う相手を軽んじて来たグレントが思わず失笑を漏らす。
それを敏感に感じ取ったのか、ベルガがついと顔を上げた。

「何がおかしい?」
「いや?」
「とぼけるな」

耳にネジのような奇妙な物がついている割に聞こえはいいらしい。
責め立てるような雰囲気を放ちながら、グレントを睨みつける。
…ように、見えた。目元は見えないというのに本当に雄弁だ。

「どうせ私のような女にゴールは守れないとでも思っているんだろう?」
「よくわかったな」
「不本意だが、慣れているんでな」
「なら他の連中にも馬鹿にはされたということか」

再び小馬鹿にしたような笑みを浮かべたグレントの頬を風が切った。
ふと見てみればそこには斜め下から突き出された拳があり、眼前には無表情ながらに怒りをあらわにする彼女の姿。
頬から首筋にかけて、ひやりとした感覚が伝う。別に目の前の女に恐れ戦いているわけではない。
ならば、何故。と再び彼女の拳に視線を戻せば、それは冷気をまとい、凍り付いていた。
なるほど、そういう力があるのか。

「口を、慎め」

ビキビキと、彼女の怒りに呼応するかのように氷結された拳はその範囲を広げていく。
あと僅かでグレントの首筋までも凍らせんとした時、がしりと、グレントの掌がベルガの手を掴んだ。
女の腕だけあって、自身の物より遥かに細い。
まさかこんなにも直接的に動くとは思っていなかったのか、ベルガの腕がビクリと跳ねる。
それを見てにやりと笑うと、辺りを漂っていた冷気が消し飛ぶ。
熱気。グレントの手の平から発せられた炎が、ベルガの拳を容易く溶かす。

「さすが。良く溶ける」
「…ッ!」

一気に氷をはぎ取られたベルガの腕をグレントがつかみあげる。
鍛えているとはいえ男と女の差。容易くひねり上げられた腕に、ベルガは悔しそうにグレントを睨みつける事しか出来ない。
目隠し越しにもそれがわかるほどの強い憎悪。
目元が見られないのが残念だ。不意にそんな事を考える。

「別に喧嘩で勝っても嬉しくはないだろう」
「まあ、そうだな」
「ならば、離せ」
「さて…」

どうしたものか。とグレントははぐらかす。
このまま解放しても別に良いのだが、それはそれでつまらない気がした。
一端興味を持ったせいか、やたらと目の前の人物をからかってやりたくなって、
グレントはつかみあげた腕をぐいと引き寄せ、これでもかと言うほどに顔を近づける。
間を埋めきれないマスクが邪魔だ不意に思ってそれを外す。
ぐ、と息をのむ音が聞こえたが気にする事はないだろう。
そしてそのまま、ベルガのほとんどが覆い隠されている顔のパーツの中で、唯一むき出しになっている口に、自分のそれを押し付けた。
別に、なんの感慨もない。どういう反応をするかみたいだけだ。
先ほどのように殴ってでも来るか。
その行為自体にさして執着はなかったグレントはすぐさま顔を離した。
反応のない目の前のそれを、いぶかしげに眺める。
惚けたような顔をしたベルガをしばらくの間見ていたのだが、
僅かな間をあけて面白いくらいに彼女の顔が上気する。
先ほどまでの威勢はどこへ行ったのか、俯いて口をはくはくと開閉させた後、
今まででは考えられないような力で腕を振りほどき、そのまま走り去ってしまった。
空っぽになった自分の手を見やりながら、ああ。先ほどまでは力を加減していたのだろうか。と検討はずれな事を考える。
やはり、チーム間で喧嘩でもして問題になる事を控えたかったのだろう。
だがあそこはやはり女としては全力で抵抗すべきだったな。と相手の先ほどの様を見やりながら脳内で笑う。
笑いながらも先ほどの妙に女らしい顔が頭から離れなくて。
グレントは再びマスクをつけ直しながら僅かに顔をしかめる。



これは、
おかしな事になりそうだ。


*****************************
BGM:マイハートハードピンチ/相対性理論

最初に聞いた瞬間なんかピンと浮かんだネタでした。
でもあんまり歌詞に則してはいないという。いがみ合ってたはずなのにあれ?くらいのノリで。

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