ゆっくり、帰ろう [土受け]


拍手叩いてくださった方ありがとうございますー!励みになります!!^^*


今回ひっさびさに一土でお送りします…。
エイリアにかまけてばっかりですけど自給自足しないと私の心の均衡が保てないんです^q^
自分のじゃ萌えられんけど、な…。

それはともかくとして続きからどうぞー。少し短いかもしれません。









一之瀬が委員会の用事があるとかで一緒に帰れなかった日に、たまたま豪炎寺と一緒に帰る事になった。
二人で並んで歩く帰路は、いつもの道のはずなのに妙によそよそしい。
別に豪炎寺の事が嫌いな訳でもないし、一緒にいて気まずい訳でもない。
だけれども、何故だか流れる沈黙が妙に重苦しくて、土門は自ら話題を切り出すように口を開いた。

「そういやさぁ」
「?」

豪炎寺は話し手というより聞き手だ。
だから、あまり自分から話題を振るような事をしない。
ある程度一つの話題について話して、また沈黙が流れたら土門が新しい話題を見つけて話す。
それの繰り返し。別に嫌な訳ではないし、普段あまり話さないようなことも話せた分、むしろ有意義だとも思った。








「どもーん。帰ろう」
「おー」

一之瀬に声をかけられて、慌てて荷物をまとめて皆に挨拶をした後部室を出る。

「今日は委員会ないんだな」
「うん。昨日であらかた終わったみたいでさ」

ふうん。と相づちを打って、校門から出る。
部活が最近遅いから、辺りはすっかり夕焼けに染まっていた。
普段は無機質な灰色をした道路がオレンジ色に染め上げられて、そこに電信柱の影が静かに黒を流し込む。
綺麗だなぁ。と思って顔を上げると、空の向こう側で同じように夕日が空を真っ赤に染め上げていた。
3本目の電信柱がある角を曲がれば信号がある。
青のランプがチカチカ点灯していたので一つため息をはいて信号待ち。
車が行き交う道から不意に目をそらすと民家の塀の上で黒猫が大きくあくびをしていた。
綺麗な毛並みと愛らしい表情に、その猫を見つめていると視線に気づいたのか、
まるで何を見ているんだ。と言わんばかりににゃあと鳴いて塀の向こうに消えてしまった。
あ。と思うと同時に、隣の方から同じように「あ」という声が聞こえて思わずそちらを向く。
そうしたら、一之瀬もどうやら同じ猫を見ていたらしく、残念そうに眉がハの字に下げられていた。
それを見て、土門が思わず吹き出すと、一之瀬もくつくつと肩を震わせて笑った。
そんな事をしているうちに信号はどうやらまた青に変わっていたらしく、土門と一之瀬は慌てて横断歩道を渡った。
またお互いの顔を見ながら苦笑いして、また一本道になった帰路を二人で何を話す訳でもなく帰るのだ。

「じゃあ、また明日」
「おう!」

二人の帰路が別れるところで、お互い手を振って背中を向けた。
そこで、ふと先ほどの言葉が帰路についてから話した3回目の会話だということに気づく。
豪炎寺と帰っていたときは、あれほどに会話が途切れて沈黙が流れるのが妙に重かったというのに。
何故だろう。としばらく考えた後、実に単純な答えに行き着いて、思わず土門は笑った。



(一之瀬だからだ)



何も話さなくても、居心地が悪いなんて思わない。
他の皆と一緒だと、沈黙が続けば「何か話さないと」と思うのに、一之瀬と一緒だとそれがない。
何も話さなくても、十分だからだ。
お互いに一緒にいられれば十分で、隣にいるだけで満足。
言葉なんていらない。会話もいらない。並んで歩くだけでいい。
そう思うと、何故だか無性に今までの沈黙がむず痒くなって、土門は知らず知らずのうちに口元を綻ばせた。


********************************
なんか、2人きりになったとき沈黙が続いても大丈夫って人と、沈黙に耐えきれない人っていますよね。あれ?いない?
別に豪炎寺さんと土門の組み合わせが嫌いという訳ではないのです!
豪土大好きですよ!!(今言われても!)

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