それから、 [エイリア]


拍手叩いてくださった方ありがとうございます!励みになります!^^*


最近更新エイリアばっかですが今に始まった事じゃないですねすみませんorz
とりあえず76話に触発されてアイキューとベルガでAパートのあのシーンの裏側妄想(笑)
カプにするつもりなく描いたんですがそう見える気がしないでもない(爆)
今の時期を逃したら色々終わる気がするの…!!

と、いうわけでばっちこいという方は続きから^^










遠くから聞こえる歓声と声援。
地面を蹴る音、ボールを蹴る音。弾む音と弾んだ声。
それに混じって、間の抜けたような機械音が響いて来て、ベルガは炊飯器のふたを開けた。

「あーあ。晴天の日にこっちの当番とかついてないよね」
「そう言うな。明日は私たちの番だろう」

適度に湿らせたしゃもじで中身をかき混ぜているときに、奥からトレーを抱えてやって来たアイキューの愚痴に、思わず苦笑する。
エイリア学園の一件があって以来、瞳子の尽力によって徐々に本来の姿を取り戻し始めたお日さま園には、昔にも似た時間が流れ始めていた。
瞳子は再び昔のように孤児を迎え入れることができるようにすると意気込み、毎日寝る間も惜しんで復興に勤しむ日々。
そういっても、瞳子1人の力で全ての管理を行うのはさすがに厳しい。
そのため、もともとエイリア学園として活動をしていた者たちが、それを支えることを自ら進み出てきたのだ。
だが、そうはいっても皆まだ成人前の子供である。
経営に携わる事が出来ない分、こうした日常の雑務を皆で分担して行っているだけ、というのが現状だ。
それだけでも瞳子は「とても助かる」と言って顔を綻ばせてくれた。
そんな彼らを労ってなのか、それとも子供の本分を守ってほしいからなのか。
当番制にして、時間が空いた子はグラウンドで自由に遊ぶと良い。と言ってくれたのをきっかけに、今の当番制が完成した。
当番があるときは各自それに取り組み、空きができた者は外で自由に過ごす。
自由に過ごすと言っても、全員が全員好きなものが一致しているのだから考える事は一緒だ。
サッカー。
破壊や、力の優劣を競うためだけに行っていたものを純粋に、思う存分楽しめるこの時間を、皆何よりも心待ちにしていた。
つまり簡単に言えば、今日、この2人は当番が入っており、外では遊べないという事だ。

「ベルガ、天気予報見てないだろ。明日降水確率50%だよ?」
「そうなのか?」
「そうだよ!雨なんか降ったらたまったもんじゃないよ!」
「まあ、雨でもやるだろうから問題ないだろう」
「そうだろうけど、やっぱり晴れてたほうがさぁ…」
「ほら、手を動かさないと日が暮れるぞ」

櫃に移したご飯をアイキューがトレーを持って来た場所の近くにどかりと降ろす。
自分も確かに晴れた日に外で思いっきりサッカーはしたい。
だが、今やるべき事はこれなのだ。
諭すようにアイキューに言えば、分かってるよ。と拗ねたように返される。
彼は頭がいいから、それくらいは分かっているのだろうが、外で遊びたい気持ちは年相応に持ち合わせているのだ。

「なら、早く終わらせて観戦しに行こう」

思わず苦笑しながらくるくると袖を捲るベルガを見て、アイキューも目の前のご飯を手にとった。
これから計55人分のおにぎり作りである。気が遠くなりそうだ。

「…でも、これだけで足りると思うかい…?」
「良く食べる連中には悪いが数量を規制するしかないな」
「いいダイエットだね」

慣れた手つきでどんどんおにぎりを量産して行くベルガを眺めながら、自らも時間をかけながら一つ一つ握って行く。
料理を出来る者が限られているため、ヘビーローテーションで巡ってくる料理当番。だが、ベルガは嫌な顔一つしない。
そんな彼に感心しつつも、目に入るのはやはり、青い肌。

「結局、エイリア石がなくなっても戻らなかったね」

エイリア石の影響で容姿が変化した者は何人かいた。
だが、それを失ってからも、いろいろな検査をしたが誰1人として元に戻れることはなかった。
それが、今も残る傷痕。自分たちが決して褒められないことをしてきた証。
アイキューの眼鏡の奥の瞳が悲しげに揺れているように見えて、ベルガは思わず自分の腕を見た。
昔は皆と同じく健康的な色をしていた肌。だが、今となってはこれが自分の中の「当たり前」になっている。
それは、事実なのだ。

「私は私で、案外気に入っている」

あげられたアイキューの視界の中で、ベルガの青い手がひらりと振られる。
ベルガは笑っていた。

「それに、この事をとりあげて馬鹿にする奴も、ここにはいない」

皆、素直に受け入れてくれている。今も、昔も、初めてこうなった日も。
だから、構わない。とベルガは笑う。
そんな笑顔を見て、これ以上この話題を持ち出すのはきっとベルガに対して失礼に値すると判断したアイキューは、わずかばかりに笑みを返すだけにして、この話題を切り上げた。





「そういえば」

しばらくの間、持ち上げられていた話題の重さから沈黙が流れていた場に再び声が降りる。
手元から目を外せば、綺麗な三角形をしたおにぎりをトレーに起きながらベルガが小首をかしげていた。

「晩ご飯は、何にしようか」

酷く平凡な質問だった。
思わず吹き出したアイキューに、何か変な事を言っただろうかと首を傾げるベルガ。
そうだ。今は、こういう感じで良いのだ。

「妹がハンバーグが食べたいって言ってたんだけど」
「…だったらサイデンたちにひき肉も買ってくるように言っておくんだったな」
「あ。大丈夫じゃないかな?アイシーも一緒だから、多分勝手に買ってるよ」
「それはそれで困るのだが…際限なく買われると今後の食費が…」
「すっかり主夫だなぁ…」

会話をしている間に割って入るように2回目の機械音。
炊きあがった2回目のご飯をもう一度櫃に移しているときに、玄関の方が騒がしくなったのに気づいた。

「ただいまー!!」
「おかえりアイシー。…って随分買ったね…」
「レアンと一緒にいろんなもの見て回ったの!」
「そしたらね!大根が安かったのよ!」
「サイデンが荷物持ちでよかったよなぁ?」
「バクレー、お前も少しは持って良かったんだぞ…」
「っていうかハンバーグと大根って何!どうやってあわせるんだよ!?」
「何とかなると思って」
「うん。料理当番ベルガだし」
「ちょっ…こんな事言ってるけどいいのベルガ!!」
「………………よし、和風で行こう」
「なんとかなったなんとかなった」
「じゃあ私大根おろし作る!!」

がやがやと一気に騒がしくなった厨房。
遠くから聞こえる歓声と声援はまだ続いていて。
ああ、そうか。これが普通なんだ。と改めて思い知らされる。
ふ、と隣で皆に指示を出すベルガを見やると、不意に彼もこちらを向く。

「どうかしたか?」

僅かに微笑みながら問われた言葉に、首を振る。

「なんでもないよ」
「そうか。……そうだ。アイ……」

名前を呼ばれかけて、何だろうかと首を傾げる。
だが、不自然なところで途切れた言葉は、続く事なく。
ベルガは、笑った。

「今は、こっちの名前で呼んだ方がいいな。…ーーー」

久々に聞いた自分の本名。
名前を呼ばれるだけなのに、こんなにも、嬉しくなるものなのだろうか。
そのまま、自分は今までにないくらい明瞭に、嬉しそうに答える。





そうだ。
普通の幸せとは、こういう形をしていた。



******************************
皆、幸せになると良い。
個人的に女子の料理偏差値はボニトナさんがオールマイティーでパンドラとかリオーネとかは和食が得意そうなイメージ。
全体的に出来そうな子は和食得意そうに感じます。
クリプトとかキーブが料理できそうなのにできないとか。むしろ「できなくて何が悪い」とか言いだしそうな感じで。
幼そうな子は頑張るけど失敗する。ウルビダさんは消し炭しか作れない(爆)
男子はGKがずば抜けてて後はぼちぼちできるか全く出来ないか。でしょうか。

ってか皆一つ屋根の下でいいんですよね!?さすがに未成年ほっぽりださないだろ!!
男子部屋と女子部屋でざっくりわけて皆で雑魚寝するといいよ!女子部屋恋バナで男子部屋枕投げ。修学旅行か。
誰かそんな凄く和む話を書いたりしないかな!(自分で書け)
それより何より早いとこ皆の本名でないかな。

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