faceless [エイリア]


ドロリオ!むしろドロ→リオでしょうか。
案外好きなんですけどなんか報われない感じになってしまった…orz



それでもいい、という方は続きから。
短めです。









例えば、喧嘩して負けたときとか。
誰かに褒められたときとか。
自分ではあんまり表に出さないようにと必死になっているのに、
彼女は笑いながら自分の心情を言い当てるのだ。
あまりにもよく当たるものだから、なんでそんなにわかるんだ。と訪ねた事がある。
そうしたら、彼女は可愛くクスクスと笑うのだ。

「だって、ドロルはすぐ顔に出るんですもの」

分かりやすいわ。なんて茶化すように言う。
考えてる事が分かりやすいなんて、格好いいもんじゃないだろう。

「あら。不満なの?」
「だって、いいもんじゃないだろ」
「何考えてるか分からない人よりは素敵だと思うわ」

素直に言われた言葉に、ドロルはむず痒くなって俯いた。
リオーネはそう言うが、他の皆から指摘された事は一度もない。
それはただ単に皆分かっていながら黙っているだけなのだが、
そんなこと、言ってもらわないと分かる訳がない。
ドロルはただただリオーネに言われた言葉に納得がいかないのと、
「素敵だ」と褒められた事へのむず痒さからすっかり口を噤んでしまった。

「思った事は隠すよりも表に出した方が良いに決まってるもの」

裏表のある人間よりも、素直な人間の方が好かれるのが世間一般。
自分の思った事を隠す事が出来ない人は、不器用故に隠し事ができない。
そう言う人は、いい人だ。
だから、ドロルはいい人だってすぐに分かるのよ。
そう呟くリオーネは、コロコロと笑った。



「だから、ドロルの事を好きになる人は、きっとたくさんいるでしょうね」



うらやましいなぁ。と言って笑うリオーネの顔が、ドロルは大好きだった。











裏表がなくて。
隠し事がへたくそ。
思ってる事がすぐに顔に出て。
すごく、分かりやすい。
そんな、いい人。

彼女がそう言ってくれる事が、ドロルの心を軽くした。
今まで、そういうのは格好悪い。と思ってたから。
けど彼女が自分の事を理解してくれて、自分が思ってる事を分かってくれるなら良いと思った。
良いと、思っていた。





「ねえ、聞いて。ドロル」





だけど。






「私ね、ネッパーの事が、好きみたいなの」







彼女は、自分の本当に知ってほしい感情には、気づいてくれなかった。


それでも、彼女は昔みたいに綺麗に、可愛く笑うものだから。





「そっか」





僕も、笑うしかなかったんだ。





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