ろくでなしの歌 1 [パーベル学パロ]


…多分落書き板見てくださっている方は「ああ」と思うと思います。
パーベルで高校生×大学生パロ…だ、よ……!!
やっちまったと笑うが良い!馬鹿めと叫べ!右t(通じるか分からないネタを使うな)
とりあえず馴れ初めから。と思い書き始めたらまさかで連載になりそうです。
ただ、着地地点は見えていてもそこまでの経路が見いだせていないので不定期になるかと思います。

特殊な設定なので上の説明読んで「ふざけるな」と思った方は回れ右。
それでも良い方は以下の事をふまえて読んでいただけると嬉しいです。

・ダイヤモンドダスト家とプロミネンス家で住んでいて交流のあるご近所さん。
・ベルガ、ボンバは自立済み。
・学パロなんでエイリアとか関係なく皆普通に学校に通ってます。

なんかもりもり増えて来たらちゃんとパロカテゴリ作って設定も作ろうと思います。

心の広い方だけ、どうぞー。
さあて、どこまで需要があるのやら…^^;







「そっかぁ。ここからじゃ大学遠いもんなぁ。じゃあ仕方ないよね」

そう、家の喧噪の中で言われたのが早1年ほど前。
今では一人暮らしもすっかり板について、立派に自立できたと思う。
自立と言っても、実家の家事も大抵引き受けていたのでさほど困りはしなかったのだが、
むしろ実家の方が心配だ。ゴッカやリオーネがいるとはいえ、家はくせ者が多い。
…などと、実家の心配を出来るほどには精神的にゆとりができた。

そんな、冬の話。




『ろくでなしの歌』




まだ冬が始まったばかりではあるが、さすがに風が冷たい季節。
授業を終えて、買い物袋をぶら下げた状態でベルガは帰路についた。
授業が最後までみっちりと入っているせいもあり帰るのはいつも日が暮れてから。
授業が早い場合もバイト等を入れているおかげで正直日の高いうちに家に帰れた試しがない。
帰ったところで別段何もないので、困る事もないのだが。
ようやくアパートまでたどり着き、カンカンと安っぽい作りの階段を上って行く。
さて、今日の晩飯はどうしようか。と鍵を探しながら考えたときだった。
不意に上げた視線の先に、人の影。
自分の部屋の前にしゃがみ込むその姿には些か見覚えがあった。
そう、あれはいつだっただろうか。
実家の近所に住んでいた,自分の家以上にやかましい家の。

「……ネッパー?」

記憶をたよりに名前を呼ぶ。
すると、緩慢な動きでくるりとこちらを見たその顔は半分マフラーに埋まっていてよく分からない。
バンダナとマフラーの間から覗く暗い瞳がベルガを捕らえ、止まった。
冬は始まったばかりというのに厚手のジャンパーに手袋まで装備し完全に真冬の格好だ。
ネッパーと呼ばれた少年は、ベルガの方を向いたきり何も話さない。
ベルガがようやく彼の元までたどり着くと、ただ一言「寒ィ」と呟くだけ。
顔がほとんど見えないせいで本当に自分の記憶があっているのかも怪しいのだが、
人違いだったとしてもこのまま寒空の下放置するのも気が咎める。
むき出しの耳が真っ赤な事から、おそらく長時間ここにいたのだろう。
ベルガは一つため息をつくと、部屋の鍵を開け、扉を開けた。
中に入るように促せば、少年は傍らにあったスポーツバッグを手に持ち、遠慮する事なく中に入った。




「…あー…寒かった…」

どさりと荷物を下ろすや否や、そんなことをぼやく。
まるで咎められているような気がして、ベルガは一瞬動きを止めたが、自身もどさりと荷物を下ろした。
遠慮無しに部屋の奥へと向かう彼のを見やれば、するするとマフラーをといているところで、
ようやく垣間見えた顔が、やっとのことでベルガの脳内で思い出した少年と一致した。

「やっぱり、お前ネッパーか」
「おう」

ネッパーといえば、自分の実家の近所に住んでいる家族の一人だ。
家も、彼の家も特別な事情があって同じ屋根の下に住んでいる連中が全員血の繋がっていない他人。
そんな似た環境下でいるためか、多少の近所付き合いがあったので覚えている。
喧嘩は耐えなかったが、本気で嫌い合っているわけではなかったので、上手くつき合っていたと思う。
ネッパーの家は賑やかな連中が多く、毎日毎日騒がしいという印象が強かった。
その中で、一人随分暗い瞳をしている奴がいたな。程度の印象だ。
話した事は数回しかないのではないだろうか。
その程度の付き合いの少年が、今ここにいる。
全く経緯が読めず、ベルガは困ったような顔をしてネッパーの後を追った。

「なんで、お前がここにいるんだ。というかどうやって知った」
「アンタんとこのやつが話してるの聞いた」
「で、どうして来たんだ」

ベルガ自身もマフラーを首から外す。
どかりと座り込んだネッパーの向かい側に、自分自身も腰を下ろせば、
ネッパーの暗い瞳がじっとこちらを見ているのが分かった。

「で、なんで、ここに来たんだ」

もう一度問えば、あっけらかんとした表情。
そして、さらりと凄い事を言って退けた。

「家出。ボニトナと喧嘩した」
「……は?」

家出。
その言葉の意味は分かるがそれによって彼がここに来た意味が分からない。
ベルガが渋い顔をしているのを見て、言わんとしている事を汲み取ったのか、
ネッパーが指を2本突き出して来た。

「俺にとって家出先候補が2つあった。
 一つはアンタと同じく一人暮らししてるボンバのとこ。
 でもあいつのとこ行ったら絶対にボニトナにチクられるからパス。
 で、もう一つがアンタんとこの連中から聞いてたアンタの家」

アンタなら、ボニトナにチクったりしねーだろ?
と、何故か自信満々に問いかける目の前の少年に思わず呆れる。
自分だって、実家の連中に連絡を取って彼の家に事情を話す事くらい訳がない。
そうするとは思わなかったのだろうか。とも思ったが、あえて言わないでおいた。
家出するなら、それなりの事情があるんだろう。
それを聞いてからでも遅くはない。

「…なんで、家出したんだ」
「アンタに関係ないだろ」
「これからやっかいになる奴の家に説明無しに居座れると思うな」

厳しく言ってやれば、それはそうだという納得顔。

「進路について、喧嘩した」
「進路?」
「来年大学受験か就職か決めなきゃなんねーから、進路希望の調査票書けって言われてよ。
 大学とか面倒臭ぇから就職にしたらボニトナに怒られた」

今の時代、大学に行っておいた方が得だ。とのこと。
確かにそうかもしれないが、そこはおそらくネッパーの自由。
本人が就職で良いというならそれでもいい気がしないでもない。
だが、そこまで考えていたときにネッパーの「あと。」という言葉に顔を上げる。

「お前をこのまま社会に出せる気がしねぇとも言われた」

不服そうな表情を浮かべるネッパーだが、ベルガは何故かなるほど。と納得。
思わず頷いてしまったのを見て、ネッパーがなんだよ。と非難の声を上げた。

「それも一理ある。と思ってな」
「なんでだよ」
「昔からお前は素行が悪い」
「酷ぇ言われようだな。俺」
「事実だろう」

素行が良ければ家出先でこんなにでかい面などするまい。
その言葉にはさすがに反論できなかったのか、ネッパーは一気に黙り込んでしまった。

「まあ、俺の素行はどうでもいいんだよ」
「いや、よくないだろう」
「ほとぼりが冷めるまでで良いからよ」

な?とニヤリと笑う顔は人にモノを頼む表情ではない。
なるほど、だからこそのその大荷物か。とネッパーの傍らにある中身のぎっちり詰まったスポーツバッグを見やる。
ほとぼりが冷めるまで。一体いつになるのだろう。
だが、この寒空の下に再び放り出したところで大人しく実家に帰るとは思えない。
ベルガは深く深くため息をはくとうなだれた。

「……好きにしろ…」

ついに折れたベルガに、ネッパーはさすが。話が分かる。とニヤつく。

「ただし、問題が解決したら帰れよ」
「あいよ」




こうして、奇妙な組み合わせの同棲が始まったのだった。



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まだ起承転結の起なんで、たいした進展はない。
なるべく10までは続かないようにしたいです(笑)

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