その声に救われている [その他]

尾刈斗とかゼルデザとかいろいろ書きたい欲求はあるのになぁあああ…
それにネタが伴ってくれません。誰か私に萌えをください(爆)

あ。空パチありがとうございますがんばります!!
あと、余談ですが24日の福岡yahooドームのイベントに学校のサークルとして出陣します。スペースはポケモンでとっていますが、稲妻のラミカも僅かながら置いているのでよければw
サークル名は「東亜企画」。スペースはヌ-15です。ポニーテール眼鏡がいたら私ですのでよければ声かけてやってくださいww
すれ違い果たし状もおそらくやっているので叩き付けられた方はよろしくお願いしますw
そして同日に青春カップか……参加される方は楽しんで来てくださいー畜生行きたかったなぁあああ!!


今回は鉈幽。短めです。
俺ブン設定で尾刈斗から引き抜いてすぐ。くらいで見ていただければ。






真っ暗なバスの中で、何度も寝返りを打つ。
月明かりだけが煌煌と照らす車内で、おそらく目を開いているのは自分だけなのではないだろうか。
そう思い込んでしまいそうになるほど静かで、
幽谷はいてもたってもいられず、寝袋からもそりと起き上がった。

「眠れないのか」

急にかけられた声に、体をびくつかせれば、僅かにくぐもった笑い声が聞こえた。
特徴的なそれに、声の主が分かって苦笑しながら隣を見る。

「先輩。起きてたんですか」
「まあな」

未だ寝袋にくるまったまま、仮面だけをそこからのぞかせる鉈が、もぞりと幽谷の方を向く。
端から見ると仮面の奥に本当に人がいるのか怪しくなる光景だ。
思わず、幽谷は吹き出した。

「先輩、寝るときもそれ外さないんですねぇ」
「それはお前もだろう」
「まあ、起きたときに誰かに見られるのも嫌ですし、ね」

自分の巻いているバンダナを指して、クスリと笑う。
それはおそらく鉈も同じなのだろう。仮面の奥から特徴的な笑い声が聞こえた。
ついには鉈も寝袋から起き出す。
静かなバスの中で、ひそひそと秘密の話をするように囁き合う。

「まさか、日本中旅する事になるとは思いませんでした」
「それは多分、ここにいる全員が同じだろう」
「尾刈斗中は、大丈夫でしょうか」
「あいつらなら殺しても死なないさ」
「…ですねぇ」

クスクスと、笑い合うものの、やはり不安なものは不安だ。
エイリア学園はフットボールフロンティア参加校を重点的に攻撃しているらしい。
いくら地区大会で不服ながらも敗退したとはいえ、狙われてもおかしくはない。
スコアの上では秋葉名戸よりも勝っていたのだ。
先日、監督から電話がかかって来て問題はないと言われたものの、それもいまいち信用ができない。
自分たちを心配させないためについた嘘かもしれないから。

「なんとしても、勝ちましょう」
「ああ」
「皆のためにも」

幽谷の言葉に、鉈もゆっくりと頷く。
このチームで自分たちがどこまでやれるのかはわからない。
だが、やれるだけの事を,やろうと思う。
また尾刈斗の皆の元へ笑って帰るためにも。

「…でも、先輩がいてくれてよかったです」
「ん?」

窓から差し込む月明かりを眺めながら、ぽつりと呟く。
最初はこのチームで雷門出身でなかったのは自分だけだったのだ。
疎外感がなかった訳ではない。
寂しくなかった訳ではない。
だが、しばらく経った後に円堂が鉈を連れてやって来た。
その時、自分の気持ちがどれほど軽くなったか。

「今はこうやって強気でいられますけど、全部先輩がいてくれるからなんですよ」
「………」
「先輩がいてくれて、よかったです」

尾刈斗にいるときも、どれだけ支えられたか。
自分たちのチームの最後の砦をつとめていた鉈がいなくなった尾刈斗の戦力低下が気にならないはずはない。
だが、実際この場に鉈がいることにより自分は救われた。
自己中心的な考え方なのかもしれない。皆は許してくれるだろうか?
一人で考え込み、俯く幽谷の頭に、大きな手が乗せられる。
何度も見た事がある。鉈の大きな手だ。


「俺がいなくても、お前は十分やっていけるだけの力がある」


俺は少し、支えているだけだ。
そう呟く鉈の表情は読み取れない。
けれどもなんだか笑っている気がして、幽谷も笑みをこぼしながらゆっくりと頷く。
きっと、この人は分かっていないのだ。
自分が彼のそういう言葉の優しさにも、随分救われていることに。

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